昼休みが終わる前に。
変えられる……
これならきっと、
過去を変えられる!
私は制服のスカートを両手でぎゅっと握り締めながら、もう一度頭を下げた。
「みんなが私の話を信じきれないのはわかる。だけどこれが私からの一生のお願いです。どうか来週の修学旅行だけは行かないで。お願いします」
私の必死な思いが届いたのか、思案するような沈黙を経て、クラス全員が力強く首を縦に動かした。
「わかった。修学旅行には行かない」
「もし凛々子ちゃんの話がただの空想だったとしても、この忠告をあえて無視して修学旅行には行けない」
「凛々子が未来から来たって話、不思議と本当な気がするんだよな」
「だよね」
疑いの声しかなかった昨日とは違い、賛同の声が広がった。
智ちゃんは教卓の前に立ち、ぱん、と手を打ち鳴らした。
「全員、修学旅行のしおりを出して」
みんなはそれぞれ自分の席へ戻っていき、言われた通りに引き出しの中から修学旅行のしおりを取り出した。