読めない彼の愛し方



それから佳乃とけんちゃんとは
駅で解散した。

まっちゃんは同じ方向で一駅違いなので
一緒に電車に乗って帰る。

「なんかいいなー。」

まっちゃんはもうすぐ
彼女さんと結婚をするらしい。
大好きな感じがひしひしと伝わってきて
今のわたしには眩しすぎる。
そう思っていたらつい
ぽろっと本音が漏れていた。

「何言ってんの。

ののかちゃんももう少し彼氏に
近付いてみたらいいんじゃない?
もう少しわがまま言っても
いいと思うよ?
好きな子のちょっとしたわがままなんて
こっちからしたら可愛いもんだよ。」

なんて。
いい人だなー、と思う。

こんな人に愛されたら彼女さんも
幸せだろうなー。



「あーなんかわたしも
諒に会いたくなっちゃった。」


「行ってみたら?彼のところ。」

とは言われたけれど、

「今日はダメって言われたの。」


「そっか、彼も予定があるもんね。」



そこからは間もない話をしながら
電車に揺られる。


「じゃあ、また飲もうね!」



そう言ってまっちゃんとも別れた。

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