読めない彼の愛し方
次の日の昼間。
悩みながらもこのままじゃダメだと思って
諒に連絡をした。
「会いたい」と。
断られるかもと思っていたけれど
すんなり受け入れてくれた。
何故か今日はわたしの家に
来てくれることになった。
しばらくして諒が来てくれた。
Tシャツにデニム。
さらっと気張らずに着ている姿が
かっこいいなーなんて思ったり。
「おじゃまします。」
久しぶりに我が家に諒がいる。
「DVDでも見る?」
と言って諒が見たがっていた洋画の
パッケージを見せた。
「あー、うん。」
うっすい反応だなー。
とは言わず、準備をする。
DVDが始まりしばらくすると
「ちょっと、トイレ。」
と、諒が部屋を出た。
♪〜
テーブルの上の諒のスマホが震えた。
ダメだと思いながら覗くと
画面に映し出された
「茜
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昨日は泊めてくれて
ありがと!」
…ドキ
見てはいけないパンドラの箱を
開けてしまった気分だ。
泊めた?どう言うこと?
だから家に行ったらいけなかったんだね。
茜さんって誰?
ガチャ
諒が戻って来た。
平静を装って一緒にDVDを見始める。
駄目だ。全然集中できない。
モヤモヤと悪い方向に
考えている間にDVDは終わってしまった。
その後、ふたりで近所の居酒屋さんへ。
わたしの家に来た時にはよく行く
個人経営の小さなお店。
店長さんのキャラクターが素敵で
落ち着くお店なのだ。
「久しぶりだねえ!」
今日も笑顔で接客、素敵です!
お気に入りの料理とお酒を頼んで
食べ始める。
口数の多くない諒に
茜さん、が気になるわたし。
いつもと少し違う雰囲気に
彼は気付いているのか、否か。
時折店長さんとも話をしながら
少し複雑な時間を過ごした。
「昨日、コンパどうだったの?
いい人いた?」
はあ?
耳を疑った。
いい人?普通彼女にそんなこと聞く?
いや、やっぱり彼女じゃないのか?
え?え?ええ?
腹が立った。
「…」
駄目だ。口を開いたら泣きそうだ。
「…帰る。」