読めない彼の愛し方
「何?急に?」
駅に向かって歩いていたわたし達。
急に方向転換した
わたしの腕を諒に掴まれた。
…パチンッ!
「さいっってー!」
気付いたら諒の頬を叩いていた。
驚いて立ちすくむ諒を置いて
我に帰ったわたしは走って逃げた。
♪〜♪〜〜
これで何回目か分からない着信。
家の近くの公園に着き、
ベンチに座って一人で泣いた。
しばらくすると着信は止まり
わたしも家に帰ることにした。
ドキン…
ドアの前に座る人影が。
わたしのマンションは
ドアの前が窪んでいて
ドアの前まで来ないとその人影は見えない。
わたしの気配に気付いて顔を上げる人影。
「…諒。」