読めない彼の愛し方
「…入ろう。」
腕を掴まれ、鍵を開けて家に入った。
「…」
「…」
嫌な沈黙。
沈黙が辛くて口を開いた。
「もう…別れよっか。」
「…ののかは別れたいの?」
諒の顔が見れなくて
下を向くわたしに問う。
「…」
「…ねえ、ののか。
俺は別れるつもりないよ。」
「…諒、
諒はわたしのこと、好き?」
答えが怖くて、手が震えた。
自然と両手にぐっと力を込める自分がいる。
「…好きに決まってんじゃん。」
そう言ってわたしの手を包んでくれた。
その言葉に涙が溢れた。