読めない彼の愛し方



「…入ろう。」

腕を掴まれ、鍵を開けて家に入った。





「…」
「…」


嫌な沈黙。

沈黙が辛くて口を開いた。

「もう…別れよっか。」


「…ののかは別れたいの?」

諒の顔が見れなくて
下を向くわたしに問う。

「…」

「…ねえ、ののか。
俺は別れるつもりないよ。」




「…諒、
諒はわたしのこと、好き?」


答えが怖くて、手が震えた。
自然と両手にぐっと力を込める自分がいる。







「…好きに決まってんじゃん。」

そう言ってわたしの手を包んでくれた。







その言葉に涙が溢れた。



< 14 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop