読めない彼の愛し方



それから何度考えたって
記憶にない。


いやでも、面倒臭がり屋の諒が
好きでもない子と付き合うとか
そんなことしないよね?



そうは思うものの
モヤモヤしてしまうのも事実。




色々考えているうちに
お風呂から帰ってきた諒。


「…眠い。」
と言ってそのまま寝室に向かって歩く。

ふと、止まったかと思うと
振り向いて、
「ののかは?寝ないの?」

と、一言。

わたしのことを気にかけてくれることが
嬉しくて、

「…寝る。」

と諒の腕に飛び付いた。



ベッドに入ると
「おやすみ。」と言って

すぐ規則的な寝息が聞こえてきた。



そう言えば最近、
そういうのもないな。
と、また落ち込む。


そもそも諒はわたしのどこがよくて
告白を受け入れてくれたんだろう。

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