読めない彼の愛し方
…駄目だ。
朝になってしまった。
答えは出ないまま、
悶々とした気持ちは晴れなくて
憂鬱な土曜日がスタートした。
横を見ると整った顔。
サラサラの髪の毛。
まつげなっがいなー。
なんて考えながら見つめていた。
ふわっと目を開けて
「…おはよ。」と一言。
「まだ寝たい。」
そう言ってわたしを抱き枕のように
抱きしめもう一度夢の中へ。
諒に抱きしめられて
モヤモヤよりも不安よりも何よりも
やっぱり嬉しくて、
この幸せをずっと味わっていたいと
思いながらも瞼が重くなる。
目を覚ますと、隣に諒の姿はない。
寝室を出るとリビングに彼の姿。
あの後かなり長く寝ていたらしい。
時計を見ると12時前だった。
あまり興味があるのかどうか
分からないテレビをつけながら
ソファでスマホをいじる諒。
わたしに気付き、
「おはよ。よく寝てたね。」
と、言いながら
スマホをいじり続ける。
「おはよう。ご飯食べた?」
諒の表情が分からなくて
何を考えているのかを知りたくて
無意識に顔色を伺おうとしてしまう。
「食べてないよ。一緒に食べよ。
ののかが作ってくれたんだよね。」
これ、と言って
冷蔵庫に向かう彼。
昨日作った、一緒に食べようと思っていた、
ロールキャベツを取り出した。