読めない彼の愛し方



一人暮らしが長い諒。
大抵のことは自分で出来るし
特に不自由に感じることもないと思う。

わたしが顔を洗っている間に
食事の準備をささっと整えてくれた。

「ありがとう。」

とは言いながら、

だからこそ諒には
わたしが必要なのかと不安になる。


「とりあえず座れば?」


席へ促す彼。
座ると「いただきます」と
食べ始めた。


「ねえ、今日は何する予定?」

諒に尋ねてみた。


「何にも決めてないなー。
ののかは?予定は?」


この男に一緒に
何かしようという考えはないのか。


そこで
「佳乃にコンパ誘われた。」

と、嘘を言ってみた。


「そーなん。何時から?」

と、さらっと聞いてきた。

あー、なんかもう
涙も出ないや。


「行っていいの?」

と、聞くと

「ののかが行きたいんでしょ?
それにお友達も困ってるから
誘ったんだよね?」

なんて、こんな時でさえ
表情が読めない。
何だったらいつもより爽やかな気さえする。

何だかムカついてきた。
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