俺にもっと溺れろよ。
さっきまで安心してたのに。
なんか、急に危機感じてきたわ......。
ほんと俺を煽るのが上手だね。
だからさ。
......ちょっと意地悪していい?
俺は、南と隣の男。 山下くん、だっけ?
に距離を詰める。
ほんと楽しそうだね。
俺と話してる時とは、違う表情。
......それは、同級生だから?
それとも、気になってるから?
俺は先輩で、南は後輩。
この差がなんか関係してるとか......?
俺をそんなフツフツと湧いてくる思いと共に......
──ポンポン。
南の頭を撫でる。
「ど、どうし......」
てっきり、南は隣の男がしたと思ってるみたい。
「おはよ、南」
......違うけどね。
「......え」
南は、口を開けてポカーンとしている。
完全に思考停止しちゃってるじゃん。
「じゃあ、また昼な」
ゆっくり話そう。
「......は、はい」
思考停止している南にそう告げ、俺は下駄箱に向かう......。
南はさ......
──昼まで俺の事で頭いっぱいになっとけばいいよ。