俺にもっと溺れろよ。



......聞いてたよな?



なんか、自分の世界に入ってない?




「......って、聞いてんの?」




南は......ハッとする顔をする。



これ、完全に自分の世界入り込んでたわ......。



「き、き、聞いてますよ?」



南って、焦ったら噛むクセあるよな。


絶対、右から左に流れてたと思うけどまぁいいや。




......それより、





「......教えて欲しい?」




朝から今までずっとそのことで、頭いっぱいだ
った......?



「......はい」




まぁ、簡単には教えてあげないけど。



......自分からやっといて、ひどいけど......。




俺の悪戯にちょっと付き合って。




「じゃあ、早瀬先輩じゃなくて朔って呼んで?」



下の名前で呼んでみて?




「......っ、っんえっ?」




......なに、その声。



「......ははっ、どんな声出してんだよ」




ほんとに。

こんな声、初めて聞いた声なんだけど......。




「......ってか、いいんですか!?




下の名前で呼んでも」



< 103 / 220 >

この作品をシェア

pagetop