俺にもっと溺れろよ。
俺は誤魔化すように......
「......何も言ってない。
って、予鈴なってんじゃん 」
そう、焦りを隠しながら言う。
ちょうど、予鈴なってくれて助かった。
「えっ、絶対何か言いましたよね?」
......言ったよ。
知らない間に言葉に出てたみたい。
けど、南にもう1回は言ってあげない。
自分で仕掛けたのに、自分にかかるなんて。
まだまだ俺に必死に問いかけてくる南から逃げるように......
「またな」
俺は、朝のように頭をポンポンして、屋上を出た。
なんだよ。あの、破壊力は......ほんとに。
「......っあっぶね。
可愛すぎてそろそろ俺も限界かも......」
南が告白されたことも。
朝、わざと南に近づいたのも。
結局、理由を教えなかったことも。
そんなの、
......言えるわけないだろ。
────嫉妬したからなんて。