俺にもっと溺れろよ。
「てか、あのクールで有名な早瀬先輩がそんなこと言うってことも、信じられないし......。
明らかに、もう完全に両おも......ううん、今私が言ったらダメだよね。そうだよね。
もう、桃花も鈍感すぎて色々訳分からなくなってる。......って、なんで私がこんなに悩んでるのよ!」
急に風ちゃんが、信じられないぐらいの早口で話してて、さらに頭が追いつかなくなる。
ブツブツ呟くように話してたから、内容は全然聞き取れなかった......。
「ふ、風ちゃん?
今なんて言ったの?」
もう、わたし、朔先輩のことで頭いっぱいなのに......。
......パンクしちゃうよ!
──ガタッ。
風ちゃんが、勢いよく椅子を引いて立ち上がるから、びっくりした。
「も、桃花!」
「......う、うん」
私の肩を掴みながら、風ちゃんは何か思いついたような、楽しそうな表情をしている。
......な、なに!?
何を言われるのかと不安になりながらも、ドシッと構える。
「......まぁ、この調子で頑張ってね♡」
語尾に♡マークが付いてる気がするんだけど......。