俺にもっと溺れろよ。



そっか、わたしあの日から何も食べてなかったんだ。


......1つのことに夢中になりすぎて忘れてた。



そんな自分に。

ほんと、わたしって先輩のこと好きなんだなって、改めて思い知らされる。



「ありがとう」



母の優しさを感じながら、あまりない食欲の中フルーツを食べた。



「......美味しい......」



今のわたしに、フルーツの甘さはよく染みた。



「......ふふっ、少しでも元気が出たら嬉しいわ」



そんなお母さんの言葉に、わたしは、今日1日頑張ってみよって思った。



「いってきます」




「いってらっしゃい」




......とは思ったものの、やっぱり今は朔先輩の顔は見たくない。


自分が、運悪く見てしまって、それで勝手に傷ついて。


自分勝手すぎるよね......。



で、でも。今朔先輩の顔を見たらまた、泣いてしまいそうで......。


こんな酷い顔も見て欲しくない。


憂鬱な気持ちになりながらも、足を学校へ進める。


今日は、快晴。


......わたしとは真逆だ。


いっそのこと......雨が降ってくれればよかったのに。

そしたら、泣いてもバレないかもしれないじゃん。



「......あっ」




......なんで、こういう日に限って見つけてしまうんだろう。




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