俺にもっと溺れろよ。
朔先輩に追いつかれないように、すぐに手紙を下駄箱に入れて、自分の教室に向かう。
──ガラッ。
教室の扉を開けると、風ちゃんがすぐに目に入った。
「あっ、桃花おはよう!
って、なにその酷い顔? 何があったの?」
なんで、風ちゃんはわたしのことなんでも分かるの?
「......おはよう、風ちゃん
わ、わたし......ううっ......」
泣くつもりなんてなかったのに。
こんなとこで泣いたら迷惑なの分かってるのに。
......風ちゃんの顔みたら、安心して涙出てきちゃったじゃん。
「......桃花
もう!行くよ!」
「......えっ」
わたしの手を引いて、走り出す風ちゃん。
着いた先は、空き教室だった。
......どうして?
「......HRも......ひっくっ......授業も出ないと、いけないのに......ごめんね」
「あんたが、急に泣き出すとかよっぽどのことがあったんでしょ!?
......HRも授業も受けられる状態じゃないでしょ!何のために、わたしがいるのよ?
こういうときの為に友達がいるんでしょ?」
......風ちゃん、大好き。