俺にもっと溺れろよ。
だけど、風ちゃんは上手く話せないわたしの話を、「うんうん」と優しく相槌を打ちながら聞いてくれた。
「......わたし、ずっと迷惑だったの......かな?」
......「彼女いるから、そういうの迷惑」って言ってくれたら、諦めついたかもしれないのに。
朔先輩は、優しいから言えなかったんですか?
「......そんなわけないよ。
あの早瀬先輩が、お昼一緒に食べるとか、頭ポンポンするとか、桃花だけだし。
迷惑だったら絶対にそんなことしない!」
「......しかも!あのクールで、有名な早瀬先輩がだよ!?」
......風ちゃん、ありがとう。
わたしの為に、ここまで言ってくれる親友を持った、わたしは幸せ者だ。
「少なくともわたしは、桃花が早瀬先輩にとって、他の女の子とは違う"特別"な存在なんじゃないかなって思ってるよ」
......"特別"その言葉にドキッとする。
言われたことある。
わたしも、朔先輩にそう言われたときは、本当にそうなんじゃないかなって思ってた......。
......もう、いっその事勘違いしたままの方が楽だったんじゃないかな?