俺にもっと溺れろよ。



でも、もう知っちゃったんだもん。


全然、特別なんかじゃなかったって......。



「......わたし、初めて好きになったのが早瀬先輩だから......もう......」



私の初恋。

入学式、早瀬先輩に出会ったときのことをよく覚えてる。

助けてもらったとき、ビビッと電流が走ったみたいに、あぁ、わたし好きになったんだってすぐに分かった。



「......でも、まだ彼女って決まった訳‎じゃないよね?」


......そう、確かに本当に彼女かどうかは分かってない。


で、でも!


「すっごく、仲良さそうに話してたんだもん」



......少し離れてても分かった。

"お似合い""美男美女"そんな言葉がよく似合ってた。



──チクッ。



思い出すだけで、心が痛む。



「わたしは、早瀬先輩は彼女がいるのに、思わせぶりな態度とる人じゃないって思ってるけどね......」



うぅ〜んと頭を抱えて悩んでいる様子の風ちゃん。


......わたしもそう思いたいよ。



「......もう聞くのが1番なんじゃない!?」



それが1番、いい方法だって分かってる。


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