俺にもっと溺れろよ。



......だけど、今のわたしにはそれが1番難しいよ。


「......む、無理だよ」



ほんと、前のわたしに戻りたい。

もし、戻れたならすぐに聞けるのに......。


好きと比例して臆病が加速してる。



「って、桃花お昼どうすんのよ!?」



......うっ。中々、痛いとこついてくるね。


「も、もう朔先輩には、誠に勝手ながら、お昼はしばらく一緒には食べれませんって手紙を下駄箱に入れたよ......」


自分から誘っといてって思われてるのも、

......自分勝手すぎるのも分かってる。


分かってるけど、一緒にお昼を過ごす勇気はわたしにはないよ。

あったら、とっくに聞いてるとも思うし......。



「......そ、そうなのね」



若干困り気味の風ちゃん。



「き、きっとこれで朔先輩も、やっと解放されたって思ってるよ......」



自分で言っといて悲しくなる。

でも、きっとそう思ってるに違いない。



「もぉ、桃花ネガティブになりすぎ。


いつもの桃花はどこに行ったのよ!?」



だって一度考え始めたら、どんどん悪い方向に頭がいっちゃうんだもん。



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