俺にもっと溺れろよ。
だって、学校に行ったら、朔先輩に出会うのは避けられない。
むしろ前よりも、出会う回数が増えた気がする。
わたしは、朔先輩を見かけても壁に隠れたり、気づかれないように気配を消したりしているのに......。
......なんで、こんなに出会う回数が前よりも増えてるのか不思議で仕方がない。
この1週間の間に、朔先輩から話しかけられたりもした。
だけど、臆病なわたしは「ごめんなさい」とだけ言って逃げてしまった。
本当に、わたしは酷くて自分勝手な人だと思う。
せっかく話せるチャンスだったと思うのに、自分は、何をやってるのって思った。
話したいのに、話したくない。
ずっと、頭の中で矛盾している。
でもやっぱり、朔先輩に話しかけられたら胸が高鳴るし、改めて好きだなって気付かされる。
......好きって気持ちは、簡単に諦められないね。
あの時、朔先輩と女の人が一緒にいるのをみて、もう無理だ諦めなきゃって思ったのに。
朔先輩は、どこまでもわたしを好きにさせる。
......ほんと、ズルくて、ズルくて、
だけど、わたしの好きな人。