俺にもっと溺れろよ。



「本当に、ありがとう風ちゃん。


......大好き〜!」



感謝の気持ちが溢れて、風ちゃんに抱きつく。


......もう、風ちゃんが彼氏だったら幸せだって思ったことが何度あるか。


こんなこと、言ったら怒られそうだから言わないけど。



「はいはい」



......こういうときは塩対応なんだから。



そう、この時のわたしは。




──── これから起きる出来事を全然予測できてなかった。








*



*




────お昼休み。




わたしは、朔先輩と食べなくなって、風ちゃんと食べるようになった。



「わっ、今日急いでたからお弁当作れなかったんだ......」


なんか、忘れ物してるなって思ってたけど、お弁当だったとは......。


お弁当忘れるとか、致命傷すぎるでしょ、わたし。


「風ちゃん、ごめん!


食堂行って、パンとか買ってくるから先食べてて〜!」


「わたしも行こうか?」



「ううん、大丈夫だよ!ありがと!


買ってくるね〜!」



本当は、1人で食堂行くなんて初めてだし寂しいけど、これ以上風ちゃんに迷惑はかけたくない......。



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