俺にもっと溺れろよ。




「......えっと、食堂は......」



わたしは、まだ食堂の場所を把握してなくて、学校の案内板を見る。


......えっ、遠い。


食堂は、1年生の教室から結構離れていた。


まぁ、でもしょうがないよね。

自分が寝坊して作り忘れたんだし。


......なに、買おうかな。


そう考えながら、食堂に向かっているときだった──。




──── グイッ。




「......えっ!」



急に腕を掴まれて、空き教室に連れ込まれたのは。


なになに。

急な出来事過ぎて、理解が追いつかない。


......あっ!

風ちゃんがドッキリ仕掛けたとかかな?



「......もう、風ちゃん、ドッキリ仕掛け......た、でしょ......」



思わず声が小さくなる。

だって、そう思って顔を上げたとき、わたしの目に映ったのは......。





──朔先輩だったから。





「......えっ、なん......で」



なんで、わたしの前にいるんですか。

全然、理解が追いつかない。


わたしは、食堂に行きたかっただけなのに、どうして空き教室に連れ込まれるの......?




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