俺にもっと溺れろよ。



涙が出そうになるのを、必死に抑える。


......ダメ。まだ、泣いちゃダメ。


ここで泣くなんて、さらに朔先輩に嫌われてしまう。

これ以上、そういう思いはしたくない。



「......だからこそズルいんですよ先輩は。



彼女いるなら、わたしに期待を持たせることしないで下さいよ......」




朔先輩は、わたしのことなにも思ってないのは分かってた......けど。


あんなことされたら、勘違いしちゃう。



「さ、朔先輩は、誰にでも頭ポンポンみたいなことするかもしれないですけど......。



わたし、そういうの慣れてないからもしかしたらって、勘違いしちゃうところだったんですよ......」



本当は......勘違いしたままでいたかったな。

そっちの方が、良かったかもしれない。



「朔先輩......い、今までありがとうございました。


大好きでした......」




......本当は今も大好きですよ。

だけど、もうそんなこと言ったら迷惑になるからいいません。


本当に、先輩と過ごした日々は一生の思い出です。


幸せ過ぎて、夢見てるみたいでした。




< 141 / 220 >

この作品をシェア

pagetop