俺にもっと溺れろよ。
......もう、私の言いたいことはこれだけです。
そろそろ、涙が限界迎えそう。
結局、先輩の言葉ちゃんと聞けてないや。
やっぱり、朔先輩本人に聞いちゃったら、ダメになりそうだから、臆病なわたしはもう一度振り向いてドアに向かう。
......さよなら朔先輩。大好き。
最低なわたしを許してください。
そう思いながら。
「......勘違いしたままで、いいよ」
「......え」
朔先輩がそんな言葉言うから、ドアにかけた手を止めてしまった。
それと、ほぼ同時。
フワッと温かい体温が後ろからわたしを包んだ。
一瞬なにが起こったか分からなかった。
そして、理解出来たのは少ししてから。
──── わたしは今、朔先輩に抱きしめられているんだと。