俺にもっと溺れろよ。
もう......耐えられない!
「......朔先輩の口から、彼女いるって言葉聞きたくなかったからですよ!」
......先輩の圧に負けて言ってしまった。
惨めだ。
振られるの確定なのに、こんなの恥ずかしすぎる。
「......はぁ」
ほら、もう朔先輩深すぎるため息ついちゃってるじゃん。
これ以上は、嫌われたくなかったのに。
どう返されるか怖くて、目をギュッと瞑る。
この状況なのも相まって、色々な意味でドキドキする。
「俺、彼女なんていないけど......」
先輩の一言に、一瞬で目がバチッと開いてしまった。
いない!?
そ、そんなわけない。
あんな姿見たら、彼女だと思いたくなくても思ってしまう。
「じゃ、じゃあ。
前、コンビニで一緒にいた女の人は?」
......勢いで、言ってしまった。
もし、彼女じゃないとしても、あそこまで親しいのは、朔先輩と関係が深い人だと思う。
凄く、楽しそうだったもん。
答えに少しの期待と大きな不安を寄せる。
「多分それ、俺の姉だよ」
......え?朔先輩のお姉さん?
確か、前に朔先輩と話したときにお姉さんいるって言ってた......。