俺にもっと溺れろよ。





......わたしは、どちらかいえば鈍感とは逆方向にいる気がするけど。



「しっかり言わないと伝わらなそうだな......。


1回しか言わないからちゃんと聞いてて」



......1回しかチャンスないの?

今の私には、1回しか言われないのは凄く厳しいけれど、頑張って聞かないと!!


耳に全集中する。



「その好きな子っていうのは......南のことだよ」



「......」




あまりの衝撃的な言葉に口なんて動かない。

ついに、頭だけじゃなくて耳までおかしくなってしまったのかと思った。


だって、、、


......今先輩の好きな人は、わたしだって言ったから。


わたしが明日急に飛べるようになるぐらいありえない言葉を言いましたよね!?


さ、さすがにわたしの都合の良い夢?妄想?


「あの!......い、今わたしのことが、そ、その。先輩の好きな人?だって言いました?」



「うん、言ったよ」




......い、言ってた。

わたしの耳はしっかり働いてたんだ。

え、え、もう。パニックすぎておかしくなりそう。

こんなことがあるのかって思った。





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