俺にもっと溺れろよ。
「わ、わたし。朔先輩のか、彼女になれるってことですか......?」
本当に信じられない。
「うん。
今日から先輩後輩じゃなくて、俺の彼女」
"俺の彼女"こんなことを言って貰える日がくるとは。
わたしは、都合のいい夢を見ているのだろうか。
何度、彼女になりたいって誓ったことか。
そんなの絶対無理だって思ってたのに......。
「......朔先輩の彼女。
嬉しい......」
まだ信じられていないけれど、あまりの嬉しさで笑みが溢れてしまう。
「......なぁ、なんでそんなに可愛いこと言うかな」
「......えっ!なんでって......んんっ!」
私の言葉は、朔先輩によって遮られた。
それも、言葉とかじゃなくてキスで。
「......ま、また......」
今日だけで、2回も......。
頭がなんかふわふわしちゃう。
「ふっ、顔真っ赤すぎ......」
そんなことされたら、赤くならない訳ないじゃないですか。
「でもこれは、俺のこと勝手に避けた罰」
さっきから、色々と頭が付いていかない。
「桃花、これから覚悟しといてね......」
きっとそれは。
いつもとは違う先輩のせい。
────朔先輩が甘すぎるせいだ。