俺にもっと溺れろよ。





「......俺の南に対する好きは、後輩としてじゃなくて」



......目の前でもっと真っ赤になった姿を見せて。



「......え」



「こういうことだよ」





──── チュ。



そう言って、俺は小さくピンク色の唇にキスをする。



「......」



「ただの後輩にこんなことしない。



俺の好きの意味分かった......?」




......好きだからするんだよ。

俺の言葉を、全然信じてくれないからキスした。

怒っても、謝らないから......。


......ふっ、明らかに動揺してる。

目を泳がせながら、首を縦に振る南。



「ほんと、かわい......」




......これ以上、俺を煽らないで。


自分で、この空き教室に連れ込んだけど、好きな子と2人きりで耐えられる自信なんて俺にはない。

少し潤んだその目で、俺を見るのは反則。



「わ、わたし。朔先輩のか、彼女になれるってことですか......?」



......可愛い質問。



「うん。



今日から先輩後輩じゃなくて、俺の彼女」




絶対、南より俺の方が好きになっちゃってる......。




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