俺にもっと溺れろよ。
***
「フフフ〜ン〜」
まだ冬の寒さがほんの少しのこる4月の上旬。
キレイな桜がさいている並木道。
わたしは、テンションが上がり鼻歌を歌いながら歩いていた。
今日は待ちにまった高校の入学式。
わたしがこれから通う高校は、制服が可愛いと有名だ。
偏差値も平均より高かったのであまり賢くないわたしは必死に勉強してこの高校に合格した。
親友の風ちゃんは元々この高校に通いたかったらしい。
そして、もう目の前は学校。
「キレー!」
数年前にリフォームをしたらしい。
前にも何回か見たことはあったけどほんとに毎回キレイだと思う。
外に貼りだしてあったクラス分けの表を見て自分の名前を確認する。
......あった。
わたしは1年A組だ。
えっ!風ちゃんも一緒だ。
これは心強い。すごくすっごく嬉しい。
さっきよりもテンションが上がったわたし。
──トントン。
誰かに肩を叩かれ、後ろを振り返る。
「桃花、おはよ」
「風ちゃん!」
笑顔で挨拶をしてきてくれたのは、風ちゃんだ。