俺にもっと溺れろよ。





また、意地悪な顔。



「......桃花が言わないなら、俺も教えない」



「え?」



......どういうことですか!?

教えないってなにを。

先輩もなにか言おうとしてたってこと......?



「教えてくださいよ〜!!」



「ん?ダメ」




イタズラな顔でさえかっこよくてドキッとしてしまう。



「はい、着いたよ」



それから、色んなこと話してたらわたしの家に着いてしまった。

心配だからって送ってくれる朔先輩......優しすぎる。


「朔先輩、送ってくださりありがとうございます!


じゃあ、また明日です!」



「ん、また明日」



手を振り返してくれる朔先輩。

......ふふ、嬉しい。


名残惜しいけど、家に入る。

明日から、また朔先輩とご飯食べられるのかなって呑気に考えているとき......。




「......はぁ〜、これから俺、あんな可愛さに耐えられる自信ないんだけど......。


桃花の教室に行ったのは、変な虫がつかないように、他の男に俺の彼女って見せつけるため......なんて言えるかよ」





朔先輩がそう頭を抱えてたとは知らなかった──。







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