俺にもっと溺れろよ。
「そういうことね......」
意味深な顔をする天沢先輩。
「こりゃ、朔。店ほったらかして、連れていきそうだな」なんて呟いている声は、このクラスの熱意にすぐにかき消されて、わたしに聞こえるはずなんてなかった。
何も知らないわたしの横で風ちゃんは、静かに頷いていた。
「桃花ちゃん!朔、呼んで来るね」
「あっ、はい!ありがとうございます」
天沢先輩は、相変わらず優しいな。
おまけにフレンドリーで、モテないはずがない。
「桃花、このあと頑張ってね!」
「頑張るってなにを!?」
「......まぁね」
風ちゃんまで、意味深な顔する。
さっきから、2人してどうしたんだろ。
......わたしだけなにかを分かってないのかな。
「桃花ちゃん、連れてきたよ!」
忙しそうなのに、申し訳ない。
午後からも会えるし、人目でいいから、ポリスの格好をしている姿を見たかった。
「......か、かっこいい」
目の前にいる、警察官の格好をしている朔先輩に思わず声が盛れてしまった......。
スタイルの良さが更に際立ってて、それに腰には手錠をぶら下げている。