俺にもっと溺れろよ。
「連絡先、聞いてもいいですか?」とか「彼女いますか?」とか。
そんなの......言うわけないじゃん。
接客するだけなら、まだしも......接客する度に毎回こんなこと言われて疲れる。
夏輝は、満更でもなさそうな態度とるし......。
疲れねぇのかよ。
「......せっかく、なんだから朔ももっと楽しめばいいのに......。
って、お前には桃花ちゃんという可愛い可愛い彼女がいるから無理か......」
「下の名前で、呼ばないでくれる?」
......可愛いって言ってもいいのも俺だけ。
「......うっわ、怖っ。
親友の俺にも独占欲丸出しかよ......」
親友だとしても、一応男だからね。
何が起こるかわかんないし......。
桃花のこと好きになってわかったけど、俺の独占欲は強すぎるらしい。
夏輝にも言われてるし。
「おい、朔!こっち頼む......」
クラスの男子が、俺を呼ぶ。
夏輝の言った通り、俺らのクラスは謎に繁盛してるらしく......ほぼ満席状態。
「......朔ちゃん。はい、頑張って!」