俺にもっと溺れろよ。





いつもも可愛いけど、今日は特別可愛く見える。


......だから、俺だけに見せてよ。


他の男には、見せんなよ。

嫉妬で頭おかしくなりそう。

俺、桃花より年上なのに余裕なさすぎ。


まぁ、可愛い彼女を前にして、普通でいられるわけないか......。



「ねぇ、桃花......。


今日、ずっとその格好だったの?」



「え、はい......私達のクラスはみんな浴衣着てますよ?」




......ほんとムカつく。

俺以外の人もこの可愛い桃花を見たってことに腹が立つ。


別に、桃花以外の人はどうでもいい。


......きっと桃花は、自分が可愛すぎることを理解していない。


この上目遣いも、多分天然でやってるだろう。



「......ナンパとかされなかった?」



「......え、されてないですよ!


わたしなんかがされるワケないじゃないですか!?」



「はぁ......」



この天然鈍感の小悪魔が。

きっと、ナンパされなかったのは桃花の友達が守ってくれたおかげだと思う。


前に俺が、「桃花のこと、よろしくね?」って言ったことあるし。

もちろん、桃花がいない時に言ったけど......。




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