俺にもっと溺れろよ。
本気で言ってたんですか!?
それは、それで逆に困ります......。
わたしの心臓もたないですもん。
なんて話していると。
──── ポツポツ。
「え......雨!?」
突然雨が降ってきた。
......夕立かな?
梅雨明けしたって前テレビで言ってたのに......。
まだ、天気は不安定なのかな。
あ、待って。
「......ど、どうしよう傘持ってきてない」
今日の天気は晴れだって朝の天気予報で言っててたから......それで持ってこなかったんだった。
......ほんと、どうしよう。
ポツポツ雨からだんだんと強い雨に変わってきてるし。
「俺の家、近いから行こ」
「え?」
確かに、ここからだとわたしの家の方が遠いけど......急に行くってなったら。
「......迷惑なんじゃ」
「全然、迷惑じゃない。
それに......風邪ひかれたら困るし」
「え、ちょっ......」
そう言って、わたしの手を引っ張って走り出す朔先輩。
雨は、強まるばかりだし......このままだと家に着いたときにはきっとびしょびしょだ。
お言葉に甘えようかな......もう朔先輩は、止まってくれないだろうしね。