俺にもっと溺れろよ。





「......はぁ、ほんと危機感ないね。


......それ、狙ってやってんの?」



「狙うって......わたし誰も狙ってませんよ?」



「......はぁ」



頭抱えている上にため息まで......。

わたしなにか変なこと言っちゃったかな?


って、そんなことより!



「......朔先輩も風邪引いちゃうから、早くシャワー浴びてください!」



わたしが先にシャワーしちゃったせいで、朔先輩が風邪ひいちゃったら困る。

わたしが風邪ひかないように、先に入らせてくれた朔先輩は、ほんとに優しすぎる。



「......そうだね。桃花、適当にソファとか座っててね......。


ついでに頭も冷やしてくる......って言っても無理そうだけど。
危機感もってなさすぎるこの子にちゃんと、教えないとだし......」



「はい......」




ブツブツなにかを唱えながら、お風呂場に向かう朔先輩。

その表情は、なにかを我慢しているような、何かと葛藤しているような......そんな感じに見える。


......どうしちゃったんだろう......いつもの先輩とは違うような気がする。



ほんとに、風邪ひいてないといいけど......。





< 211 / 220 >

この作品をシェア

pagetop