俺にもっと溺れろよ。
「......はぁ、ほんと危機感ないね。
......それ、狙ってやってんの?」
「狙うって......わたし誰も狙ってませんよ?」
「......はぁ」
頭抱えている上にため息まで......。
わたしなにか変なこと言っちゃったかな?
って、そんなことより!
「......朔先輩も風邪引いちゃうから、早くシャワー浴びてください!」
わたしが先にシャワーしちゃったせいで、朔先輩が風邪ひいちゃったら困る。
わたしが風邪ひかないように、先に入らせてくれた朔先輩は、ほんとに優しすぎる。
「......そうだね。桃花、適当にソファとか座っててね......。
ついでに頭も冷やしてくる......って言っても無理そうだけど。
危機感もってなさすぎるこの子にちゃんと、教えないとだし......」
「はい......」
ブツブツなにかを唱えながら、お風呂場に向かう朔先輩。
その表情は、なにかを我慢しているような、何かと葛藤しているような......そんな感じに見える。
......どうしちゃったんだろう......いつもの先輩とは違うような気がする。
ほんとに、風邪ひいてないといいけど......。