俺にもっと溺れろよ。





ね、寝顔を見られていたとは......。



「寝顔が可愛いワケないですよ!」



お風呂上がりの寝顔が可愛いなんて、絶対嘘。


見られるんだったら......せめて、お風呂上がり以外がよかったな......。



「桃花は、どんなときでも可愛いよ?」




── カアァァ。


朔先輩が、照れもせずにそんな言葉言うから......わたしが顔赤くなっちゃったじゃないですか。

朔先輩の言葉はいつも破壊力抜群だ。



「顔赤いけど......どうしたの?」



「......もぉ」




先輩のせいでこうなったって絶対分かってるのに。


そんな意地悪な顔の朔先輩にときめいてしまうわたしはきっと彼の策にハマっている。


もう、お風呂上がりで顔が赤くなっちゃったってことにしちゃいますよ......?




「......ねぇ、俺やっぱり桃花を叱らないといけないことあったわ......」




急に真剣な顔をする朔先輩。




「え?」



......わたしったら知らない間に、朔先輩を怒らせてたの?

自分で叱ってくださいって言ったけど......。


大好きな朔先輩に叱られるのはやっぱり怖い。




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