俺にもっと溺れろよ。
風ちゃんには謝罪会見をした。
手伝おうかって言ってもらったけど初日から迷惑をかけるわけには行かないから先に帰ってもらった。
そして、先生に空き教室の場所を教えてもらい。
わたしは今、向かっている。
あの、先生!
突然?ですけど言いたいことがあります。
この教材、女子に頼みますか?
重すぎなんですけど!!
心の中で愚痴を言い。
ぼぉーっとしながら階段を下っていたときだった。
足を踏み外してしまったのは。
「わぁ......」
なんということでしょう......じゃなくて。
相当やばいよね。
これはもう落ちると思って目を瞑ったとき、
──ギュッ。
「危ねっ」
誰かによって助かったのだ。
──バサバサ。
教材は落ちてしまったけれども。
「大丈夫か?」
急なことで意識が飛んでたけどもその一言で戻った。
「は、はい。
大丈夫です......」
「気をつけろよ」
お礼を言おうと思い顔をあげたら......。
助けてくれた彼があまりにもカッコよくて、わたしは息を呑んだ。
ネクタイが青色だからきっと2年生の先輩だろう。
「あ、あの!
ありがとうございます」