俺にもっと溺れろよ。
「風ちゃんよ。
さすがに、ハードル高くないか?」
高いよ。高すぎるよ。
さすがのわたしも......ね?
「いや、あんたなら出来るよ」
バカなわたしは、親友の言葉にすぐに乗っかり、
「やっぱ、そう思う?」
先ほどと同じ返事を返してしまった。
ほんと、わたしは正真正銘のバカだと思った。
♡
── そして、お昼休み。
わたしは、4限目のチャイムがなるとすぐ風ちゃんに頑張ります!代わりの敬礼をし早瀬先輩のもとへ向かった。
わたしは、早瀬先輩がお弁当だということは知っている。
なんで知ってるかって?
そりゃ、好きだから。
このとき、本当にわたしは思った。
わたしそろそろやばくないかと。
いや、わたしだけじゃない......みんながそう思っただろう。
2年生の教室がある4階に着くと、運がいいことに早瀬先輩の後ろ姿が見えた。
ここまで来たら誘うしかない。
1回大きく息を吸う。
「早瀬先輩!」
わたしの声が聞こえたみたいで先輩は振り返る。
「えっ、......南?」
驚いた表情でわたしを見る。
"南"って言葉を発してくれるだけでこんなにも胸が温かくなる。