俺にもっと溺れろよ。
「......分かりません」
そんなの全然分かりません。
「ははっ......なんだそれ」
そのキレイすぎる笑顔に惚れて。
ただ、ずっと先輩を追いかけた。
「......ふふっ」
わたしもつられ笑顔になる。
ねぇ、先輩。
少しは、わたしのこと意識してくれてますか?
「その笑顔は......反則」
「......えっ?」
先輩がなにか言った気がするけどちょうど風が吹きちゃんと聞こえなかった。
「なにか、言いました?」
わたしがそう聞くとどこか頬をほんのり赤くした先輩は、
「なんでもない」
そう答えた。
頬がほんのり赤くなってるのはきっとわたしの勘違い。
それからは、先輩の姉弟の話を聞いたり楽しいお昼休みを過ごした。
少しでもわたしのこと意識してくれてたら嬉しいなぁ。
まぁ、ほとんど可能性はないだろうけど。
それより、先輩ってあんなに笑うんだ。
そりゃ笑うよね。
いつもどこかクールな感じだからそう思うだけなのかな。
今日の先輩はいつもよりちょっぴり大人でほんの少し甘い新しい一面が知れた気がした。