俺にもっと溺れろよ。





「せ、先輩には、関係ないですよ......」





そう。


先輩には関係ないこと。


ていうのは言い訳で。



言ったとして、興味ないみたいな顔をされたり傷つく言葉を投げかけられるのが怖いから。




ただ、自分が弱いだけ。




すると、先輩が歩くのを止めわたしの方を向いた。



「関係ある」




そう言いながら......。



なんで、そんな真剣な表情。



──ドクンドクン。





関係あるってどういうこと?





「誰?」





そんな、真剣な目で見つめるの......。



「関係な......「ある」」





本当に期待させないで。




もう。


先輩がそこまで言うなら言ってしまおう。




「違うクラスの男の子です......」





そう思い言った。



「名前は?」





先輩は、さらに掘り下げてくる。




本当に、そこまでして聞きたいですか?




もう言ってしまえ。




「や、山下くんです」






なんでこんなに聞きたいのか分からないけど、先輩が下がってくれる気が全然しないからそう言った。





名前を言っても分からないと思いますけど。。。



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