俺にもっと溺れろよ。
学校に着き、校門をくぐる。
早瀬先輩に会えるかな?
そう思い、陽翔くんと話してるにも関わらず。
目は先輩を探してしまう。
探すが、先輩の姿は見つからない。
朝から会える確率は結構低いと分かっていても少し落ち込む。
だけど、またお昼に会えるから今日も頑張ろ!と思い心に刻む。
単純すぎやしないか?自分。
──ポンポン。
すると、急に頭を手でポンポンとされた。
突然でびっくりしたけど、わたしの近くは陽翔くんしか居ないと思い彼だと思って、
「ど、どうし......」
どうしたの?って顔を上げて言おうとした。
だけど、全て言葉にはならなかった。
だって、わたしの頭をポンポンとしたのは、
「おはよ、南」
──早瀬先輩だったから。
「......え」
不意打ちすぎて言葉が出てこない。
な、なんで。
わたしが探したときは確かに、先輩はいなかった。
いつの間に、来たんですか。
しかも、急にポンポンするなんて。
「じゃあ、また昼な」
「......は、はい」
それだけ言うと先輩は言ってしまった。