俺にもっと溺れろよ。
「はい」とは言ったもの。
びっくりするぐらい頭が追いつかないんですけど。
びっくりぽんだよ、これは。
って違う。こんなこと言ってる場合じゃない。
頭は未だに追いつかないものの、顔は熱い。
どうしよう。
胸がドキドキしすぎて周り聞こえてしまいそう。
「ねぇ、あの人って桃花ちゃんの好きな人?」
「へぇっ?」
わたしが浮かれていたときに。
陽翔くんが急に予想もつかない質問をしてきたので、変な声が出てしまった。
ど、どうしてそのことを......。
でも、ここは否定しておこう。
なんだか、嫌な予感もするし。
「ち、ちがうよ......!
な、何言ってるの陽翔くん!」
わたし、噛みすぎでしょ。
でも、お願い。バレないで!!
必死なわたしとは裏腹に笑っている陽翔くん。
な、なに......?
「そんな必死に否定しなくても。
バレバレだって......」
「......バレバレ!?」
え......マジですか。
また予想のつかない言葉にびっくりして大きな声が出てしまった。