俺にもっと溺れろよ。



「......先輩の意地悪!」



こっちは、真剣に悩んでて、早く理由知りたいのに!!


そう思ったらつい、言葉にしてしまった。



......っはっ!




気づいた時には遅かった。



「......理由知りたいんだろ?



なのに、俺にそんなこと言ってもいいの?」




さっきよりももっと、意地悪な顔の早瀬先輩。


......墓穴を掘ってしまった。



うわぁ、もう。また、やらかしちゃったよ。


どうしよ。これで、理由教えてくれて無くなったら。



てか、私、この圧倒的不利になってしまった状況なのに思うことがあるんですが......。




ちょっと前から思ってたけど、




......早瀬先輩ってなんかSっぽいっていうか俺様?なとこありますよね!?




この状況なのにこんなこと思うなんて、私は本当にどうしようもない奴だよ。



でも、そんな気がするんだもん。





「......って、聞いてんの?」




完全に私の世界に入り込んでた。



早瀬先輩の声に、ハッとする。




「き、き、聞いてますよ?」




ちゃんと聞いてます。



一瞬、考え事しちゃっただけで。




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