俺にもっと溺れろよ。
そんな思いと同時に、顔も赤くなる。
ってもう。先輩早く何か言ってくださいよ。
「......可愛すぎ」
「......っえ、」
......今先輩がなんか言った気がするけど、上手く聞き取れなかった。
「今、なんて言いました?」
多分だけど、凄く聞いた方がいい言葉を言った気がする。
「......何も言ってない。
って、予鈴なってんじゃん 」
「えっ、絶対何か言いましたよね?」
うん。絶対何かは言ってましたよ?
ただ、聞き取れなかっただけで。
さ、朔先輩は、
「またな」
また、わたしの頭をポンッとして、教室に戻って行ってしまった。
......っええっ!!
今、私の頭ポンってしたよね?
今日の朔先輩本当になんなの?
いつもと違いすぎて、頭パンクしちゃいそうなんだけど。
って、今朝もしたその理由も結局聞けてないし......。
しかも!さっき聴き逃した言葉も聞けてないし!
なんか、色々と上手くはぐらかされた気がする。
1枚、いやそれ以上に上手な朔先輩。