好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【一人称修正ver.】【完】

「『若君』なんて日常で使う言葉じゃないよね……」

「跡継ぎとか言ってるし……」

「由緒あるお家? とかなのかな……」

みんな、私を攻撃する毒気が総て抜かれてしまったようだ。

むしろ同情的な眼差しすら受ける。

「あの……ごめんね? 言えない理由……だったんだね?」

話しかけて来た女子が、そう言った。

むしろ私は知らない理由だったけど、そう解釈してくれるなら、それでいいだろう。

……二人の家のことは、本当に全然知らないし。

「今まで、ごめんなさい。今日は……最初から謝るつもりで、みんな呼んだの」

「へ?」

最初から? 昨日より大人数なのは不思議に思っていたけど……。

< 125 / 413 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop