好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【一人称修正ver.】【完】

「その、昨日彼氏がいるって聞いた時点で……もの凄く罪悪感がきたの……」

「桜木さんに、架くんを独占されてるみたいに思ってて……でも、昨日の話聞いてから考えてみたら、桜木さんから架くんに話しかけたこともなかったな、て思い当って……」

その通りですね。いつも桜城くんから絡んできていたから。

そして今日の桜城くんの嘘八百が、その印象を後押ししてくれたのだろう。

桜城くんが人気あることはこの先も変わらないだろうけど、私には桜木くんに、恋愛感情がないとはっきり宣言出来たようなものだろうか。

「ごめんなさい。殴ってくれて構わないから」

「無理ですよ⁉ 女の子殴れるわけないじゃん!」

黎に裏拳を喰らわせたことは、当時の混乱に紛れて忘れている薄ぼんやりしている私だ。

「……どうしたら、ゆるしてもらえる?」

「………」

< 126 / 413 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop