好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【一人称修正ver.】【完】

「小路(こうじ)の家でも本家筋と各家の長しか知らない話だが――」

と、黒藤さんは前置きをした。

「真紅は影小路が始祖の一人の転生なんだ。母上は、真紅の力を封じておくための術をかけ、反動で眠りについた。真紅が誕生した時刻を迎える瞬間、母上は目覚める。そして、封じられていた真紅の陰陽師としての力は目覚める」

「………」

いきなり過ぎる話に、ぽかーんとするしかない私。

桜城くんはただ蒼ざめている。

「簡単に言うとこうなるんだけど……すぐには理解しきれねえよな」

黒藤さんは自嘲気味に笑った。

「そ、それでは、なんですか? 若は真紅ちゃんを小路に入れるおつもりなんですか……?」

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