好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【一人称修正ver.】【完】

「真紅ちゃんはさ、紅亜様のこと、悪く思ったりはしてないの? 理由はあれど一人だったこと」

「んー、なんだかんだ言っても、毎日逢ってたし、彼氏が私を嫌ってるからっていう話も、建前? な感じは薄々だけどしてたから……ママのことは、すきだし」

ママは、いつも全身で笑みを向けてくれていた。

それを嘘や偽りと感じたことはなかった。

一緒に暮らせないことは淋しかった。でも、逢えないわけではなかった。

……今は離れていた理由が、私のためだと知った。

「でも……やっと一緒に暮らせるの、やっぱり嬉しい」

もしかしたら叔母さんも一緒になるかもしれないけど、それも楽しみだ。

ママは、妹とどんな風に接していたのだろう。

十六年前に眠った双児の妹。

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