好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【一人称修正ver.】【完】
……ママは哀しかっただろうか。
自分が幼い頃に逢いに来てくれた妹が、家の為に永い眠りについたこと。
それでも、約束を残してくれたこと。
……今日から、ママと一緒だ。訊ける機会が、あったらいいな。
「だからね、ぼんやりとなんだけど、これから先はママとは離れていたくないっていうか。……もし結婚する人がいたらママとは仲良くしてもらいたいし、出来たら……一緒に暮らしてもらいたい」
私の素直な気持ちを聞いた架くんは、それをどう思っただろうか。
「な、なんかマザコン発言だよねっ」
恥ずかしくなって、取り繕うようにあははと笑う。
けど、架くんは笑わなかった。