好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【一人称修正ver.】【完】
……まったく。何回か死ぬかと思うたぞ。
こっそり主に毒を吐く。
涙雨とも顔見知りである黎明の子どもは、涙雨に容赦なんかしない。
二回ほど潰されかけたぞ。
………。
涙雨の主は黒の若君だ。今は、黒の若君の命で真紅嬢の護衛をしている。
……真紅嬢の力は、徐々に開花しつつある。
先ほど、黎明の子どもに調子の悪そうなところはなかった。
真紅嬢の血に退鬼されていないと考えられる理由は三つ。