好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【一人称修正ver.】【完】
side黎
「……黎のことも教えてくれるなら」
「お前結構口上手いな」
「どうも」
「小埜黎。十九」
「二十代後半かと思った……」
「それはどういう意味?」
「黎さんが大人びているという意味です。それだけです」
年齢より年上……はっきり言って老けて見られるのは、俺はいつものことだった。
けれど真紅に言われると……いじり甲斐がありそうだ。
「二十歳過ぎてたら承諾なしで婚姻届け出せたのになー」
「婚姻⁉ 黎、恋人いるの⁉」
あ、食いついてきた。予想外に反応が大きい。
「ちょ、何夜道ふらふらしてんの! 私彼女さんに申し訳ないことしてるじゃん!」
え。
「ちょっと、まこ
「駄目だよ彼女さんいるのに私にこんなことしたら、私顔向けできな
「落ち着けって真紅。彼女なんていねえし……」