好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【一人称修正ver.】【完】
「……小路流の宗家。陰陽師の家、なんだって」
「陰陽師?」
「うん。私、そこへ入るって決めたんだ」
「……転校したら、逢えなくなる?」
海雨の声は淋し気に揺れている。
「ならないよ。何度でも逢いに来る。……もう一つ話すことがあるんだけど、聞いてくれる?」
「………」
海雨は否定も肯定もしなかった。
「黎と、付き合うことになった」
「ほんとっ⁉ 黎さんに告白したの⁉」
「告白……あれ? してないな……でも、いつか結婚しようって言われた……」
私の独り言じみた言葉に、海雨はびっくりした。